2014年8月29日金曜日

つくばのセミ事情

 院試が終わりさあ夏だ、と思ったらこの頃はもう完全に秋な今日このごろ。

 涼しさも相まって、牛久に行くとここ一週間は朝でも昼でも夕方でもヒグラシが鳴いている状態だ。時期的には、もうそろそろまばらになってくるはずなのだが、未だに蝉時雨がすさまじい。

 さて、今回はセミについて、特につくば周辺の自分が見聞きしたセミ事情について書いてみようと思う。当然ながら、なにかしらデータをとっているわけではなく、客観的なデータにはなりえないのであしからず。

 ただ、セミというのはいつから鳴き声が聞こえたか、どのあたりで何が鳴いたかという見聞きのデータが重要なのだと思われる。そんな蓄積に少しでも役立てればと思う。

 まずは、今年の種類別のセミの鳴き始めについて。

  • ニイニイゼミ:6/29
  • ヒグラシ:7/2
  • アブラゼミ:7/20
  • ミンミンゼミ:7/20
  • ツクツクボウシ:7/28(Nさん)⇒8/1(自分)

いずれもつくば周辺のものだ。感覚的に、今年は初聴きが少し早かった気がする。

 一番手に来るのはニイニイゼミで、これは毎年の梅雨が開けた風物詩だ。二番手が、世間一般に夏の終わりの虫と思われているヒグラシ、最後に出てくるのがツクツクボウシだ。実際にはヒグラシの発生は7月上旬で、夏の終わりにはかなり減っていると言われている。朝夕の涼しい時間帯、または夕立の後に鳴く印象が秋と結び付けられたのだろうか。

 上に書いたように、ここ最近の涼しさで昼間でもヒグラシばかりの鳴き声を聴く。ヒグラシは多少暗く湿った針葉樹林を好むので、筑波大学周辺では一ノ矢学生宿舎や天久保3丁目~桜の反町の森公園あたりでよく聴くことができる。また、牛久の牛久自然観察の森は大半がよく手入れされたスギ林なのでかなりの数のヒグラシが生息している。

 もっとも、本来はヒグラシの発生ピークは過ぎているので、最近聴けるものは少ないのではないかと思っていたが、ここ数日の牛久での大合唱を聴く限り考えを改めなければならなそうだ。

 さて、実はここにあげていないセミでもつくばで聴くことができるかもしれないセミがいる。

 ひとつはハルゼミ、エゾゼミの仲間だ。ハルゼミなのかエゾハルゼミなのか定かではないが、筑波山の上の方、あるいは宝篋山でも6月から7月の早い時期にかけてジーーーーという声を聴くことができる。筑波山には珍しいヒメハルゼミもいるようだ。

 もうひとつがクマゼミだ。西日本ではポプラーなセミだが、伊豆より東の東日本は生息域ではない。これは終齢幼虫がある一定の寒さに耐えられないからだと言われている。ゆえに、温暖化の影響で徐々に生息域を北に伸ばしている。

 しかし、つくば周辺ではこのクマゼミの鳴き声を聴けることがある。昨年はつくばセンター付近のケヤキの木で、2日連続クマゼミの鳴き声を聴いた(いずれも朝早く)。今年は今のところ聴いていないが、その時牛久自然観察の森の園長に聴いた所「どうやら土浦あたりにクマゼミを放している人がいるらしい」ということであった。

 そして今年、twitter上でこんな情報がまわってきた。

「 くまぜみマニア氏の返事によれば、クマゼミの移動を始めて4年、毎年400~1000 匹を静岡県清水市、神奈川県三浦市から茨城県土浦市、東京都練馬区へ放しているそうで、 今後も清水市市民及び数々の協力者の協力を得、土浦市、練馬区、江戸川区へ放すそうで ある。」


…裏がとれたので噂は間違いなかったということであろうが、このような人がいるということに驚きである。一般常識として、その地に生息しない生き物を人為的に放すなど論外である。

 人間の身勝手な放流が自然に与えてきた影響は凄まじく大きい。そんな歴史を全く知らないのだろうか。名前から見て、本人はクマゼミが好きなのだろう。だからといって、自然界に勝手に放流して良い道理はない。

そもそもクマゼミは西日本では騒音の問題や、電線への卵産み付けなどかなり害虫のような扱いを受けていると聴いた。世の中にはよくわからないことをする人がいるものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿