2014年11月29日土曜日

11/8の宝篋山

11/8、所属する野生動物研究会の宝篋山散策に同行した。


 今回の目的は冬の昆虫採集の風物詩、オサ掘りの場所を探すためのものだった。オサ掘りとは、その名の通りオサムシを掘り当てる昆虫採集のことだ。ほとんど虫の動きがない冬季において、オサホリは昆虫採集家の醍醐味らしい。

 場所としては、少し切り立った露頭が良い。ちなみに去年のオサ掘りでは元会長が冬眠中のオオスズメバチの女王を掘り当てたりしている。

冬眠中だったオオスズメバチの女王。この後どうなったかは定かではない(おそらく標本になった)

なお、この下には一部グロテクスな画像があるので注意していただきたい。

今回は宝篋山の中でも人の少ない小田城コースを行った。まるで中国の景勝地のような風景だが、ここはかつて石切り場があったところだ。宝篋山にはかつての石切り場跡地が四カ所ほどある。

かなりグロテクスな画像だが、ケバエの幼虫の集団越冬。今まで見たこともなかったが、今回だけで3箇所も見つけた。日当たりの良い落ち葉の下などで集団でいて、少し触るとウネウネと動き出す。

yg君が発見したオサムシ。どうやら掘るときにスコップが首を落としてしまったようで、だいぶショックを受けていた。

冬眠していたクマバチと思われるハチ。

イノシシの足跡。獣道やヌタ場、堀跡などイノシシの痕跡は多く見られた。


おそらく猛禽などに鳥が捕食された跡。尾羽根から察するにコゲラだと思われる。



2014年11月27日木曜日

秋の宝篋山

とっても久々な投稿。

面倒臭がらずに書いていきたいと思うけど、なかなか時間を取れない日々。

今回は10月に行った宝篋山について書いてみる。
だいぶ前なので風景はだいぶ違ってしまっているが、今は紅葉が見頃となっている。

麓の田んぼ付近にあったイノシシの足あと。今後いやというほどイノシシの痕跡に出会うこととなる。
某団体が作った池は錦鯉ごと土砂に飲まれて埋まってしまったようだ。
メジロ。宝篋山の尾根筋を歩くと小鳥の群れによく出会う。


一方で厄介者のソウシチョウ。見た目は綺麗でも数が多いとただのうるさい鳥だ。

地元の人にはチョウセンウグイスと呼ばれているようだ。特定外来生物だが、麓から山頂まで多く生息している。
山頂の風景。筑波山がよく見えた。


写真には撮れなかったものも、コゲラやアカゲラもしくはヤマゲラなど、キツツキの仲間にも多く出会った。これほどキツツキを見かけるのは個人的に初めてだったが、単純に興味が向いてわかるようになったのだろうか。

これからはなんとかファインダーに収められるようにも努力したい。



久々の更新

前回から一体どれほど時間が立ってしまったのか…

全く更新していなかったものの、何もなかったわけではない。この間は富士山に二回登ったり、八ヶ岳に三回行ったり、奄美大島に行ったり、イノシシの皮をさばいたり、山へ芝刈りへ行ったりと色々としていた。

今後時間ができればひとつひとつ記事にしていきたいと思う。

2014年8月29日金曜日

つくばのセミ事情

 院試が終わりさあ夏だ、と思ったらこの頃はもう完全に秋な今日このごろ。

 涼しさも相まって、牛久に行くとここ一週間は朝でも昼でも夕方でもヒグラシが鳴いている状態だ。時期的には、もうそろそろまばらになってくるはずなのだが、未だに蝉時雨がすさまじい。

 さて、今回はセミについて、特につくば周辺の自分が見聞きしたセミ事情について書いてみようと思う。当然ながら、なにかしらデータをとっているわけではなく、客観的なデータにはなりえないのであしからず。

 ただ、セミというのはいつから鳴き声が聞こえたか、どのあたりで何が鳴いたかという見聞きのデータが重要なのだと思われる。そんな蓄積に少しでも役立てればと思う。

 まずは、今年の種類別のセミの鳴き始めについて。

  • ニイニイゼミ:6/29
  • ヒグラシ:7/2
  • アブラゼミ:7/20
  • ミンミンゼミ:7/20
  • ツクツクボウシ:7/28(Nさん)⇒8/1(自分)

いずれもつくば周辺のものだ。感覚的に、今年は初聴きが少し早かった気がする。

 一番手に来るのはニイニイゼミで、これは毎年の梅雨が開けた風物詩だ。二番手が、世間一般に夏の終わりの虫と思われているヒグラシ、最後に出てくるのがツクツクボウシだ。実際にはヒグラシの発生は7月上旬で、夏の終わりにはかなり減っていると言われている。朝夕の涼しい時間帯、または夕立の後に鳴く印象が秋と結び付けられたのだろうか。

 上に書いたように、ここ最近の涼しさで昼間でもヒグラシばかりの鳴き声を聴く。ヒグラシは多少暗く湿った針葉樹林を好むので、筑波大学周辺では一ノ矢学生宿舎や天久保3丁目~桜の反町の森公園あたりでよく聴くことができる。また、牛久の牛久自然観察の森は大半がよく手入れされたスギ林なのでかなりの数のヒグラシが生息している。

 もっとも、本来はヒグラシの発生ピークは過ぎているので、最近聴けるものは少ないのではないかと思っていたが、ここ数日の牛久での大合唱を聴く限り考えを改めなければならなそうだ。

 さて、実はここにあげていないセミでもつくばで聴くことができるかもしれないセミがいる。

 ひとつはハルゼミ、エゾゼミの仲間だ。ハルゼミなのかエゾハルゼミなのか定かではないが、筑波山の上の方、あるいは宝篋山でも6月から7月の早い時期にかけてジーーーーという声を聴くことができる。筑波山には珍しいヒメハルゼミもいるようだ。

 もうひとつがクマゼミだ。西日本ではポプラーなセミだが、伊豆より東の東日本は生息域ではない。これは終齢幼虫がある一定の寒さに耐えられないからだと言われている。ゆえに、温暖化の影響で徐々に生息域を北に伸ばしている。

 しかし、つくば周辺ではこのクマゼミの鳴き声を聴けることがある。昨年はつくばセンター付近のケヤキの木で、2日連続クマゼミの鳴き声を聴いた(いずれも朝早く)。今年は今のところ聴いていないが、その時牛久自然観察の森の園長に聴いた所「どうやら土浦あたりにクマゼミを放している人がいるらしい」ということであった。

 そして今年、twitter上でこんな情報がまわってきた。

「 くまぜみマニア氏の返事によれば、クマゼミの移動を始めて4年、毎年400~1000 匹を静岡県清水市、神奈川県三浦市から茨城県土浦市、東京都練馬区へ放しているそうで、 今後も清水市市民及び数々の協力者の協力を得、土浦市、練馬区、江戸川区へ放すそうで ある。」


…裏がとれたので噂は間違いなかったということであろうが、このような人がいるということに驚きである。一般常識として、その地に生息しない生き物を人為的に放すなど論外である。

 人間の身勝手な放流が自然に与えてきた影響は凄まじく大きい。そんな歴史を全く知らないのだろうか。名前から見て、本人はクマゼミが好きなのだろう。だからといって、自然界に勝手に放流して良い道理はない。

そもそもクマゼミは西日本では騒音の問題や、電線への卵産み付けなどかなり害虫のような扱いを受けていると聴いた。世の中にはよくわからないことをする人がいるものである。

2014年8月4日月曜日

宝篋山採集

 宝篋山にて水生生物の採集をしたのですが、それらの写真をGoogle大先生がほぼ自動に動画のようなものを作成してくれました。

 「ストーリー」という機能なのですが、こういう使い方もできるんですね。

筑波山登山 ~車は偉大~

 今回も、高校時代の友人が筑波山を登りたいということなので案内をした。

 気がつけば、月に一回筑波山を登っている。スパンとしては季節のうつりかわりも見れて、嫌になるほど高頻度というわけでもないのでちょうどいいかもしれない。

 往復は友人の車にのせてもらった。今まで自転車で行っていたが、やっぱり車は偉大だった。筑波山神社周辺にはあまり止めたくなかったので、つくば道の麓の市営駐車場に車を停める。

つくば道。かつての参拝道で、等高線に垂直に登るため自転車はおろか車も少々きつい傾斜。

最後には階段が復元されている。横は臨時開業することもある旧筑波郵便局。

 この日は非常に蒸し暑く、日差しも強かった。つくば道には当然木陰はなく、筑波山神社に着くまでで既に汗だくになってしまった。筑波山神社から先は森の中の登山道なので、楽になるかと思いきや湿度が凄まじくダウン。そこそこの頻度でおいてあるベンチに毎回腰をかける結果となった。二人して「チェックポイント!!」というほどである。

 夏の日の低山は、たとえ朝早くともかなり厳しいかもしれない。8月にも行きたいが、よく計画しておいたほうが良さそうだ。

 
御幸ヶ原では旧暦の七夕祭入りが開かれていた。


 いつもどおり女体山の山頂を目指す。そういえば、筑波山神社コースから登るのは数カ月ぶりだった。途中、男女川のところでアサギマダラが飛んでいた。筑波山は飛来地として有名らしいが、初めて見た。

 その後、女体山頂付近に差し掛かると、笹の一斉枯死が見られた。

女体山頂付近の笹。前回花が咲いたと報告したが、やはり花が咲いて枯れたようだ。笹は地下茎でかなりの範囲に広がっており、一斉枯死する。

 笹の一斉枯死は、花が咲いたあとなので数十年とも数百年に一度だとも言われている。この機会に、それまで笹との競争に負けていた稚樹が育ち、世代の交代が起きやすくなる。特にこれはブナ林でよく起きることで、近年衰退しているという筑波山のブナ林もこれで持ち直してくれるのだろうか。ただし、逆に鼠が笹の実を食べ爆発的に増え、それが木の実も食べ尽くしてしまうという事例もあるようだ。

 来年度にどうなっているかに注目していきたいと思う。

 さて、女体山の山頂では先月に引き続き多くの蝶が舞っていた。今回はアカボシゴマダラを見ることはなかった。しかし、ナガサキアゲハの夏型が飛んでいた。これも、元々は南国の蝶だ。しかし、温暖化の影響か年々分布域が北上しており、つくばでの目撃例もあるのでそれほど珍しいことではないだろう。オニヤンマなど、トンボ類も多く現れるようになった。
タテハチョウ科。残念ながら、自分にはこの種類の蝶は苦手でわからない。

キアゲハ。

 帰りはつつじヶ丘まで下り、そこから筑波山神社へと下る道を通った。
 平日とはいえ、やはり暑さのせいかいつもよりかは人が少なく感じた。これからは特に熱中症に気をつけていこうと思う。



2014年7月26日土曜日

野生動物との出会いは突然に

 ブログに書きたいネタはたくさんあったが、しばらく書く暇がなかった。

 今回は、2週間前に行った宝篋山での観察会について書いてみようと思う。

 約2週間前、同期のH君と一緒に宝篋山の夜間観察会を開催した。開催したといっても、二人である。同期の間で「里山」など、自然関係の勉強会を開いてはどうかという話があって、宝篋山での夜間フィールドワークを提案したのだが、予定があったのがH君だけだった。

 メインとなるべくホタルはもう時期としては遅いので、決行することにした。

 ただし、今回はホタルだけではなく、前回見つけたクヌギの樹液の出ているところでカブトムシやクワガタを探したり、夜動きの鈍い魚や水生昆虫を観察してみたり、タヌキやイノシシの足跡を探してみることにした。

 H君は今後の研究のためにももっとフィールドワークの経験を積みたいとの事だった。自分としても、やはり本を読むだけではフィールドでの”勘”は身につかないとつくづく感じていたので、本当にフィールドワークは重要だと思う。

 さて、今回の夜間観察会の成果は以下のとおりである。
カブトムシの残骸。
残念ながら、生きた甲虫類はあまり見れなかった。このカブトはうかつにも昼間に飛んでカラスか何かに食べられてしまったのだろう。

田んぼにいたコオイムシ。
コオイムシの生体を宝篋山で確認するのは初めてだった。他にも田んぼにはヒメガムシ・ヒメゲンゴロウ・シマゲンゴロウなどがいた。

マムシ
御存知の通り本州では最凶の毒を持つ蛇である。通り道の足元を照らしたらいたのだから恐ろしい。

とぐろをまいて寝ていたようだ。まだ若いようで小さかった。この場所は山と田の境界なのだが、二年前にも同じ場所でマムシに遭遇したことがある。


 夜間だったので、写真はあまり多く撮れなかった。ホタルの方は、もう時期が遅いということもあり、また当日は非常に風が強かったということもあり、前回よりかは見れなかった(それでも10匹以上は見れたが)。

 用水路では、浅いところにドジョウとアメリカザリガニが大量にいた。魚は本当に夜間は動きが鈍く、手でも掴めそうな勢いだった。また、大きいスジエビの目がライトに反射して褐色に光るのが少々不気味だった。

 その後、田んぼで足跡探しをした所、足跡どころか本物のタヌキが正面から歩いてきていて、エンカウントしてしまった。お互いが正面を向き合った形で出会い、タヌキはすぐに逃げ出したがH君もバッチリと見ることが出来た。

 まさか本物を見ることができるとは思ってもいなかったので嬉しかった。

 やはり、フィールドに出るといいことがある。