きっかけは、東京の大学に通う高校の同級生(以下k村)の
「なんか自然があるところに行きたい。」
の一言であった。
彼がなぜそのような心境に至ったかは知るすべもないが、なんとなく都会の喧騒に疲れてしまったのだろうか。
かく言う自分は、つくばに住んで3年になるが、人のあふれる大都会というのはなんだか近づきがたいものになってしまった。
ともかく、k村の要望に答えるべく、筑波山登山を提案した所、なんと自転車で行ってみたいと言い出したのである。もちろん、彼は自転車(クロスバイクやロードバイク)を持ってもいないし、乗ったこともない。そこで、自分の持っているクロスバイクを貸す事にした。予定ルートはその1で紹介した不動峠ルートとしたが、初めて自転車に乗る彼が果たして峠越えなどできるのだろうか。
~大学-つつじヶ丘~
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| 色の違いはスピードを表す |
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| 不動峠の連続勾配がお分かり頂けるだろうか |
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| これらはgoogleのMy tracksというアプリを使って作成した。 |
- 9:20 大学発
- 10:22 不動峠アタック開始
- 10:50 不動峠を超える。筑波山スカイラインへ
- 11:15 風返峠着。つつじヶ丘への最後の坂道
- 11:30 つつじヶ丘着
前日夜にk村と久しぶりの再開をする。と言っても、彼とは2月に東京で会っていたのであるが。母校の人たちとはつくばにいるとなかなか会えるものではない。と言っても、彼にとっても同じ大学にいても、同じ方面の電車に乗っていてもあまり会うことはないらしい。さすがに大学四年ともなると高校時代の付き合いというものは薄れてきていて少々寂しいものがある。
当日は快晴で風もなく、絶好のおでかけ日和であった。初めて乗るクロスバイクにもk村は快調に乗りこなし、ひとまず安心をする。さすがは自分とほとんど変わらない体格をしているだけはある。彼も自分も高校時代は足が長いキャラ?であった。
大学周辺から筑波山方面へは、一ノ矢八坂神社の横を通ってつくばりんりんロードへといたる道を使う。この道は一直線で車通りも少なく、筑波大生に限らずたくさんの自転車乗りに利用されている。途中、大学のある台地から桜川沿いの田園地帯へと下る道は○○高速と呼ばれ(名称は忘れてしまった)一気に加速でき、見通しの良い直線のため勝負を仕掛ける人もいるらしい。ここで、k村は初めて体験する速度に叫びだし、とてつもなくテンションが上がっていた。昔から変わらない彼のテンションは面白い。あそこまで嬉しそうだとこちらまで嬉しくなる。
桜川を超えると小田付近からつくばりんりんロードへと入る。りんりんロードは筑波電鉄筑波線の廃線跡を活用したサイクリングロードだ。TXの開業まで廃線にならなければ…と切に思う。
| 旧筑波駅。駅のホーム跡は休憩所などに利用されている。 2013 |
今回は不動峠から登るため、旧筑波駅までは行かずに北条の手前でりんりんロードから外れる。不動峠はこれが峠道なのか?と不安になってしまうほど狭く、入り口もわかりづらい。その分、自転車乗りたちにとっては格好のトレーニング場所となっている。この日は天気もよく、休日のためか、多くのサイクリストたちが登っていた。今まで何度か来たことはあったが、平日だったり、シーズンオフだったりであまり人には会ったことがなかったので驚いてしまった。人はなぜか自転車にのる時と登山するときは紳士になる。すれ違う・抜かす・抜かされるたびに挨拶されるのも気持ちいいものである。
この坂道にk村はついてこれるだろうか?という不安は杞憂であった。むしろ、真後ろにつかれたり抜かされたり煽られるほどであった(彼の荷物も全部自分が持っていたとういうこともあるが…) バトミントン部の体力、恐るべし。
無事、不動峠を超える。k村はほとんど息も切れていない。さすが運動部。ここからは筑波山スカイラインを行く。時たま現れる「二輪車通行禁止」の表記がここを走ってもいいものか、という気分にさせるが、自転車は通行可だという人の言葉を信じてみる。大学の公園について研究している教授がおっしゃるには、まだ日本、特に筑波山では自転車による登山というものの馴染みがなく、法律や行政の対応が追いついていないらしい。そもそも筑波山はビジターセンターすらなく、レンジャーもいない状態では通常の登山者への対応さえできていないのであるが。
この道はアップダウンが激しく、スピードの変化も激しい。相変わらずテンションの高いk村は後ろで叫んでいた。楽しそう。
そして、風返峠へと至る。ここからつつじヶ丘へはループ線も含めた1.5kmの登りである。覚悟を決めて登り始めたが、k村はあっさりと登ってしまう。
「あ、終わっちゃった。」貴様何者だ。つつじヶ丘にて記念撮影。
| つつじヶ丘を望む |
(続く)



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