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2014年5月29日木曜日

宝篋山散策 ~水生生物の目覚め~

 5月29日、今日は非常に天気の良い日だった。つくばでも27℃を記録したらしい。

 一方自分といえば、昨日の水槽&キャビネットの納入でのまるで引っ越しのような作業、そして自転車での往復50キロに疲れきってしまったのか、一限が終わってから昼寝をしたりとグダグダとしていた。しかしあまりにも天気が良かったので、3時過ぎから宝篋山に言ってみようと思い立つ(遅い)

 宝篋山を研究しようと思っていた身でありながら、ここ2週間は宝篋山に行っていなかった。(自称)宝篋山マスターであった元会長に申し訳が立たない。

 さて、ここ四年間通いつめてきた宝篋山であったが、最近は航空写真による分析を試みていた。国土地理院地図・空中写真閲覧サービスというものがあって、そこでは一番古くて1940年台の(米軍による)航空写真を無料で閲覧・ダウンロードできる。貴重な資料をここまで大盤振る舞いしてくれる国土地理院には大変感謝している。

 年代ごとの航空写真を分析してみた結果、宝篋山は植生の変異の他に、大規模な採石所があったことがわかった。

 宝篋山自体は筑波山と同じく、花崗岩質であって良い石が採れる。今でも宝篋山の裏側で非常に大きな砕石場を見ることができる。

 今回の目的は、その採石所跡がどのように変化しているかを見てくることとした。

 旧筑波電鉄小田駅からほぼ北へ直進すると砕石場跡に出る。どうやら砕石場は戦前からあったものも含めて複数あるようだった。外観上はただの少し切り立った崖にしか見えなかったが、近づいてみるとかなり斜面がえぐられていることがわかる。

 ある程度登って行くと登山道があったため、自転車を止めて入ってみる。どうやら宝篋山小田休憩所へと続く小田城ルートの一環のようだ。

今回巡ったコース。左側の輪になっているところはかなり古い砕石場の跡地を回ったもの。中央の要害砕石場の跡にはまだあまり植生がない。

 結構な距離を歩いた気でいたが、実際に地図で見てみると目的の砕石場に到達すらしていなかった。それにしても、日が暮れかけていたとはいえ、このコースは暗くイノシシが飛び出してきそうで少し怖かった。
八幡宮があった。この場所は砕石場のすぐ脇だ。

自転車をおいて小田城ルートに入る。

砕石場の崖。わかりづらいが、かなり高く切り立っている。

展望台からはほとんど登った気はしていなかったがなかなかの眺望であった。


 砕石場めぐりをした後、少し時間があったのでいつもどおりの宝篋山の麓、棚田周辺も散策してみた。数週間前は水辺にオタマジャクシくらいしか見れなかったが、今日は多くの水生生物を見ることが出来た。

 たかだか数週間でここまで変わるものなのだろうか?4月にはタイコウチなどを確認していたが、どうやらそれらに加えて春に生まれた個体も目立つようになってきたようである。
ホウネンエビか、イトトンボ系の幼虫か...
沢山いたので今度は網を持って行きたい。
コガムシ。ガムシはゲンゴロウと違って泳ぎがたどたどしい。

出発した時点でだいぶ遅かったのでもう日が暮れかけてしまった。

 他にも、写真に取ることは出来なかったがシマゲンゴロウ・ヒメゲンゴロウ・シオカラトンボ・ヤブヤンマなどを見ることが出来た。

 特にシマゲンゴロウを見たのは初めてだった。このゲンゴロウは中型のゲンゴロウで、縞模様が美しい。環境省レッドリストではLCに指定されている。ゲンゴロウは中型以上のものはたいていレッドリストに載るものとなってしまっている。田んぼや用水路への農薬や護岸の影響が大きいようだ。

 その点、宝篋山では有機栽培を実施しているらしく、あまり見られない水生昆虫も多く見ることができる。

 次に行くときは後輩も連れて行って採集に勤しんでみようと思う。

2014年5月13日火曜日

筑波山 その3 ~登山と下山~

~つつじヶ丘-女体山頂~

つつじヶ丘から徒歩による登山に入る。二人共自転車の登りの負担が脚に来ていて、足取りが重い。
 
 つつじヶ丘からしばらくは、かなり人為の入ったエリアを通る。大学の植生の研究者である上條先生によると、江戸時代から草刈り場として利用されてきた場所らしい。もっとも、それは筑波山全体に言えることなのであるが。このエリアだけ比較的その様相が残っているのは、「つつじヶ丘」の名称の通りツツジを多く植えているためなのだろうか、それとも「風返峠」名前の言うように尾根筋で強風でも吹くのだろうか。

 しばらく歩くとようやく日差しが遮られ、木漏れ日が入るほどの植生となる。それでも、向かって左側はスギ林で、右側はコナラなどの雑木林でまだ若い森の様相がある。

 ここから少し行くと、アカガシの生える標高となる。アカガシは常緑広葉樹の仲間にしては珍しく、比較的標高の高い場所に生えている。この辺りから、冷温帯性の植生が増えてくる。

 登山道の中間地点、筑波山神社方面への道の分岐点の少し上には、台風で折れてしまった巨大な杉の切り株がある。これを少しでも輪切りにして、持っていければ、素晴らしいテーブルになるのにといつも思ってしまう。ちなみに、分岐点は休憩所となっていて、そこにはその杉を使ったベンチやテーブルが有る。

 ここで、すぐ近くから美しい鳥の鳴き声がした。どこにいるかと見回すと、k村が見つけてくれた。その鳥は登山道のすぐ脇、杉の丸太や枝が散乱する場所で鳴いていた。
ミソサザイ。この時望遠レンズを持って行かなかったことが悔やまれた。
杉の切り株 2013
後にわかったのだが、この鳥はミソサザイという鳥であった。翌日鳥好きの知人に伺って判明したのだが、その人はこの鳥を求めて軽井沢に行く予定だったらしい。いるところにはいるようなのだが、筑波山で見れるとは思ってもいなかったらしく「筑波山行き決定した。」と言っていた。

 登山道は尾根沿いに続く。ここ以降は岩場が多くなり、急に傾斜がきつくなる。これは筑波山を構成するはんれい岩がこの標高から地表に現れてくるためである。はんれい岩は花崗岩によりも硬く、削れにくい。同時に、筑波山を代表する奇岩群も現れてくる。
2013

2013
  
 そして、さらに標高が上がってブナ帯へと入る。ブナは筑波山を特徴付ける主要な種だ。ブナは日本の冷温帯を代表する樹木で、基本的には日本海側に分布している。これは冬季の多雪がブナの生育、特に後継樹の成長に大きく影響しているためで、太平洋側の関東平野では筑波山に生息地が点のように存在している。氷河期時代の生き残りが温暖化で上へ上へと追いやられた結果である。近年は温暖化の影響を大きく受けていると言われている。
新緑のブナ。慣れてくると樹形で判別できるようになる。

 個人的に、ブナは非常に好きな木だ。なぜかと言われてもよくわからないが、あの樹皮の模様と葉の形、色を気に入っているのかもしれない。しかし、筑波山のブナはよく見られるような、白の斑点が入った美しい樹皮をしているものは少ない。これは雪の少なさが原因なのか、大気の問題なのか、自分にはよくわからないが、筑波山におけるブナの大きな特徴だと思っている。


新潟県のブナ林通称「美人林」。名前の通り非常に美しいが、この森は相当人の手が入っている。

 この場所で再び鳥の鳴き声を聞いた。先ほど聞いたものとは違うが、とても美しい鳴き声だった。再び、その姿を登山道のすぐ脇に捉えることが出来た。
ソウシチョウ
最初はキビタキか?と思った。やはりこれも翌日に鳥好きの方に聞いて判明したのだが、ソウシチョウという鳥であった。これは日本の侵略的外来種ワースト100にも入っている外来種で、元々鳴き声が美しかったために中国から輸入されたものらしい。筑波山は主要な生息地になっているとのことであった。今回は、冬に何度も登った時より鳥をよく見れた気がする。

 そして、女体山頂へと着いた。途中からは二人共もはやあまり疲れを感じずスイスイと登っていた。山頂付近はシーズンということもあり、登山者で渋滞していた。筑波山は女体山と男体山からなり、祭神はイザナギとイザナミである。いつも女体山の方が眺望が良いためそちらに登ってしまっている。

 山頂には筑波山神社・女体山の本殿(中腹は分社?である)がある。ちなみに、二人共願いは
「良い出会いがありますように。」
だったようだ。真面目な話、筑波山は万葉の時代から男女の出会いの場である。

 山頂の岩の、いつも自分のお気に入りの場所で昼食を食べる。天気は快晴だが、少し靄がかかってしまっていた。条件が良ければ東京スカイツリー、新宿の高層ビル群、果ては東京湾まで見えるのだが、それをk村に見せることは出来なかった。このポイントは、270度ほどの大パノラマを楽しめ、柵などの障害物もなくとても気持ちがいい。
山頂から麓を望む


ゆーみんのひこうき雲を流したくなるような風景

2013 12月
2013 11月
ちなみに、他の日ではこんな感じである。すっぽりと雲に入ってしまって何も見えない時もある。


~女体山頂-帰宅~

 景色を堪能したところで、帰宅する。下りは驚くほど早い。

 再びソウシチョウに出会う。今度は真上で鳴いてくれた。

 つつじヶ丘から、帰りは八郷の「ゆりの郷」という温泉に向かうために石岡方面に向かう。60キロ以上を自転車で出したのは初めてだったが、とても楽しいものだった。相変わらずk村のテンションは高い。



 最後は、温泉に入って朝日トンネルを通って帰ってきた。帰ってきて、k村が
「大学生活でトップ10に入る楽しさだった。」
と言ってくれたのは、企画したこちらとしてもとても嬉しいものであったし、自分としても楽しかった。

 また機会があればこんな小旅行を楽しんでみたいものである。


2014年5月12日月曜日

筑波山 その2 ~ヒルクライム~

一昨日(2014/05/10)筑波山に登ってきた。
きっかけは、東京の大学に通う高校の同級生(以下k村)の
「なんか自然があるところに行きたい。」
の一言であった。

彼がなぜそのような心境に至ったかは知るすべもないが、なんとなく都会の喧騒に疲れてしまったのだろうか。
かく言う自分は、つくばに住んで3年になるが、人のあふれる大都会というのはなんだか近づきがたいものになってしまった。

ともかく、k村の要望に答えるべく、筑波山登山を提案した所、なんと自転車で行ってみたいと言い出したのである。もちろん、彼は自転車(クロスバイクやロードバイク)を持ってもいないし、乗ったこともない。そこで、自分の持っているクロスバイクを貸す事にした。予定ルートはその1で紹介した不動峠ルートとしたが、初めて自転車に乗る彼が果たして峠越えなどできるのだろうか。

~大学-つつじヶ丘~

色の違いはスピードを表す
不動峠の連続勾配がお分かり頂けるだろうか


これらはgoogleのMy tracksというアプリを使って作成した。

  • 9:20 大学発
  • 10:22 不動峠アタック開始
  • 10:50 不動峠を超える。筑波山スカイラインへ
  • 11:15 風返峠着。つつじヶ丘への最後の坂道
  • 11:30 つつじヶ丘着

 前日夜にk村と久しぶりの再開をする。と言っても、彼とは2月に東京で会っていたのであるが。母校の人たちとはつくばにいるとなかなか会えるものではない。と言っても、彼にとっても同じ大学にいても、同じ方面の電車に乗っていてもあまり会うことはないらしい。さすがに大学四年ともなると高校時代の付き合いというものは薄れてきていて少々寂しいものがある。

 当日は快晴で風もなく、絶好のおでかけ日和であった。初めて乗るクロスバイクにもk村は快調に乗りこなし、ひとまず安心をする。さすがは自分とほとんど変わらない体格をしているだけはある。彼も自分も高校時代は足が長いキャラ?であった。

 大学周辺から筑波山方面へは、一ノ矢八坂神社の横を通ってつくばりんりんロードへといたる道を使う。この道は一直線で車通りも少なく、筑波大生に限らずたくさんの自転車乗りに利用されている。途中、大学のある台地から桜川沿いの田園地帯へと下る道は○○高速と呼ばれ(名称は忘れてしまった)一気に加速でき、見通しの良い直線のため勝負を仕掛ける人もいるらしい。ここで、k村は初めて体験する速度に叫びだし、とてつもなくテンションが上がっていた。昔から変わらない彼のテンションは面白い。あそこまで嬉しそうだとこちらまで嬉しくなる。

 桜川を超えると小田付近からつくばりんりんロードへと入る。りんりんロードは筑波電鉄筑波線の廃線跡を活用したサイクリングロードだ。TXの開業まで廃線にならなければ…と切に思う。
旧筑波駅。駅のホーム跡は休憩所などに利用されている。 2013

 今回は不動峠から登るため、旧筑波駅までは行かずに北条の手前でりんりんロードから外れる。不動峠はこれが峠道なのか?と不安になってしまうほど狭く、入り口もわかりづらい。その分、自転車乗りたちにとっては格好のトレーニング場所となっている。この日は天気もよく、休日のためか、多くのサイクリストたちが登っていた。今まで何度か来たことはあったが、平日だったり、シーズンオフだったりであまり人には会ったことがなかったので驚いてしまった。人はなぜか自転車にのる時と登山するときは紳士になる。すれ違う・抜かす・抜かされるたびに挨拶されるのも気持ちいいものである。
 この坂道にk村はついてこれるだろうか?という不安は杞憂であった。むしろ、真後ろにつかれたり抜かされたり煽られるほどであった(彼の荷物も全部自分が持っていたとういうこともあるが…) バトミントン部の体力、恐るべし。

 無事、不動峠を超える。k村はほとんど息も切れていない。さすが運動部。ここからは筑波山スカイラインを行く。時たま現れる「二輪車通行禁止」の表記がここを走ってもいいものか、という気分にさせるが、自転車は通行可だという人の言葉を信じてみる。大学の公園について研究している教授がおっしゃるには、まだ日本、特に筑波山では自転車による登山というものの馴染みがなく、法律や行政の対応が追いついていないらしい。そもそも筑波山はビジターセンターすらなく、レンジャーもいない状態では通常の登山者への対応さえできていないのであるが。
 この道はアップダウンが激しく、スピードの変化も激しい。相変わらずテンションの高いk村は後ろで叫んでいた。楽しそう。

 そして、風返峠へと至る。ここからつつじヶ丘へはループ線も含めた1.5kmの登りである。覚悟を決めて登り始めたが、k村はあっさりと登ってしまう。
「あ、終わっちゃった。」貴様何者だ。つつじヶ丘にて記念撮影。
つつじヶ丘を望む

(続く)





筑波山 その1 ~筑波山と自転車と~

実質ブログ初投稿である。
さて、記念すべき第一稿は、筑波山についてにしようと思う。

筑波山は茨城県つくば市に位置する標高877メートルの山で、古くは万葉の時代にも登場する歴史ある山だ。筑波山は火山ではなく、隆起した深成岩が風化せずに地表から突き出ている山である。関東平野にポッカリと突き出ているこの山は、氷河期時代からの生き残りも多く自然環境的にもとても興味深い。

つくばりんりんロードからの筑波山 2013
さて、自分にとってこの山は自宅のアパートの玄関を出れば目の前に浮かび上がる山だ。かつて埼玉県に住んでいても東にポッカリと浮かぶこの山は印象的であった。つくばに越してきて、しばらくはただ見ているだけであったが、昨年からその魅力に惹かれて度々登山するようになった。

そのアクセス手段は、時たまバスや車であることもあるが、たいていは自転車である。
筑波山神社付近にて 2012
筑波大学周辺から筑波山の麓までは、自転車でわずか40分ほどである。そこから登山口へは3パターンの行き方がある。

第一は、通常最も使われるルートで、筑波山口から筑波山神社・つつじヶ丘を目指すルートである。この道は路線バスや乗用車も多く通るので自転車にはあまりオススメではない。

第二に、つくば道を使い筑波山神社に至るルートだ。つくば道は筑波山口から少し東寄りに、江戸時代からある道で、両脇に広がる街並みを眺めながらゆっくりと歩むことができる。つくばフットパスのルート候補にも上がっている道で、車も来ず歴史を感じたいならこの道である。ただし、もともと階段の一直線を舗装したような道で、とてもではないが自転車に乗って移動はできない。麓付近の鳥居近くに市営の駐車場があるので、そちらに止めて徒歩で上ってもいいかもしれない。

どちらも、筑波山神社まで行ってしまうと自転車でも駐輪料金を払わなければならないので注意が必要だ。

そして第三のルートが、不動峠から筑波山スカイライン、風返峠を経てつつじヶ丘に至るルートだ。このルートは自分の最もお気に入りのルートでもある。何よりも楽しいのが、不動峠とつつじヶ丘手前でのヒルクライムだ。この場所は自転車乗りにとって定番のルートになっていて、休日となると多くのクライマーが挑戦する場所となっている(かつてママチャリの後輩に登らせてしまってひどい目に合わせてしまったことがある。ゴメンナサイ)
比較的車が来ない場所であるので、ゆっくり登っても問題ない。時たま開ける眺望も抜群だ。
つつじヶ丘にて 2013

不動峠より 2013

そして、今回(2014/05/10)はこの不動峠ルートで筑波山に登ってきた。詳細は次回にて(明日更新します)