一方自分といえば、昨日の水槽&キャビネットの納入でのまるで引っ越しのような作業、そして自転車での往復50キロに疲れきってしまったのか、一限が終わってから昼寝をしたりとグダグダとしていた。しかしあまりにも天気が良かったので、3時過ぎから宝篋山に言ってみようと思い立つ(遅い)
宝篋山を研究しようと思っていた身でありながら、ここ2週間は宝篋山に行っていなかった。(自称)宝篋山マスターであった元会長に申し訳が立たない。
さて、ここ四年間通いつめてきた宝篋山であったが、最近は航空写真による分析を試みていた。国土地理院地図・空中写真閲覧サービスというものがあって、そこでは一番古くて1940年台の(米軍による)航空写真を無料で閲覧・ダウンロードできる。貴重な資料をここまで大盤振る舞いしてくれる国土地理院には大変感謝している。
年代ごとの航空写真を分析してみた結果、宝篋山は植生の変異の他に、大規模な採石所があったことがわかった。
宝篋山自体は筑波山と同じく、花崗岩質であって良い石が採れる。今でも宝篋山の裏側で非常に大きな砕石場を見ることができる。
今回の目的は、その採石所跡がどのように変化しているかを見てくることとした。
旧筑波電鉄小田駅からほぼ北へ直進すると砕石場跡に出る。どうやら砕石場は戦前からあったものも含めて複数あるようだった。外観上はただの少し切り立った崖にしか見えなかったが、近づいてみるとかなり斜面がえぐられていることがわかる。
ある程度登って行くと登山道があったため、自転車を止めて入ってみる。どうやら宝篋山小田休憩所へと続く小田城ルートの一環のようだ。
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今回巡ったコース。左側の輪になっているところはかなり古い砕石場の跡地を回ったもの。中央の要害砕石場の跡にはまだあまり植生がない。 |
結構な距離を歩いた気でいたが、実際に地図で見てみると目的の砕石場に到達すらしていなかった。それにしても、日が暮れかけていたとはいえ、このコースは暗くイノシシが飛び出してきそうで少し怖かった。
八幡宮があった。この場所は砕石場のすぐ脇だ。 |
自転車をおいて小田城ルートに入る。 |
砕石場の崖。わかりづらいが、かなり高く切り立っている。 |
展望台からはほとんど登った気はしていなかったがなかなかの眺望であった。 |
砕石場めぐりをした後、少し時間があったのでいつもどおりの宝篋山の麓、棚田周辺も散策してみた。数週間前は水辺にオタマジャクシくらいしか見れなかったが、今日は多くの水生生物を見ることが出来た。
たかだか数週間でここまで変わるものなのだろうか?4月にはタイコウチなどを確認していたが、どうやらそれらに加えて春に生まれた個体も目立つようになってきたようである。
ホウネンエビか、イトトンボ系の幼虫か... 沢山いたので今度は網を持って行きたい。 |
コガムシ。ガムシはゲンゴロウと違って泳ぎがたどたどしい。 |
出発した時点でだいぶ遅かったのでもう日が暮れかけてしまった。 |
他にも、写真に取ることは出来なかったがシマゲンゴロウ・ヒメゲンゴロウ・シオカラトンボ・ヤブヤンマなどを見ることが出来た。
特にシマゲンゴロウを見たのは初めてだった。このゲンゴロウは中型のゲンゴロウで、縞模様が美しい。環境省レッドリストではLCに指定されている。ゲンゴロウは中型以上のものはたいていレッドリストに載るものとなってしまっている。田んぼや用水路への農薬や護岸の影響が大きいようだ。
その点、宝篋山では有機栽培を実施しているらしく、あまり見られない水生昆虫も多く見ることができる。
次に行くときは後輩も連れて行って採集に勤しんでみようと思う。